Arch

Arch。

とりあえず,こんなところかな,,,という感じまで来ました。

ランダムサンダーで軽く撫でてカンナの凸凹を取ったところで記念撮影。

先日,「一体どんだけ時間を掛けてんだ?(笑」と,SNSで海外からツッコミを入れられました。

うーん,確かに。

数週間ぶりに何もない休日に,それを思い出しました。

「効率」。

日頃から,僕たちはそのことばかり考えていますよね。

受験勉強も,企業が発展するのも,お金持ちになるためにも,「そこ」が重要ですよね。

なのに,気に入ったアーチに削り出すためだけに,これだけの時間を掛ける事に何の意味があるんだ?と問われた気もしましたが,多分それは気のせいだと思っています。

なぜならツッコミの主も,楽器製作者でしたから(笑。

アーチトップの製作の効率化?,,うーん。

多分たくさんの製作者が挑んでいますよね。CNCやたくさんのジグ。

でも僕のようなパートタイムLuthierは,その大切な「効率」さえ無視すれば,こんなに面白いことが出来るんだ!(笑)とも言えますよね。

時間を忘れて弾いてもらえるような楽器を作りたいです。なーんちゃって(笑。

突然吹雪出した札幌です。

11.75inch Archtop 14inch 14inch archtop 14inch Prototype 15inch Archtop 17inch Archtop Amek archtop Bass Bubinga Chaki Curlymaple Dearmond Double Cutaway Ebony EF28-70 2.8L Elmarit-M28mmF2.8 Elmarit-R 24mmF2.8 Elmarit-R180mmF2.8 Explorer修理 Gibson Ibanez in case of Inlay Jingle JohnnySmith Keyaki Kluson newFD300mm2.8L Noctilux 50mmF1.0 M Nylon Pickguard repair Semi-Acoustic Shellac Summarex85mmF1.5L Summaron35mmF2.8M Summicron-R 50mmF2 SuperAngulon21mm F3.4 M Tailpiece Tools Walnut アーチトップギター製作 ギター製作 左市弘

左市弘

左市弘 8分追入ノミ。

ノミの写真その2。

左市弘のノミは憧れでした。でもとても高価なことでも有名でしたから,10本組とはいかず,ある時,とうとう決心して8分ノミ1本を注文しました。

けれどしばらくして,注文先の金物屋さんから連絡が入り,「山崎さん(鍛冶屋さん)が亡くなられて廃業することになったので,新しいのはもう手に入らない。自分のとこに新品が1本在庫があるから,これでもよければ,,」。

なんてタイミングだったんでしょ。

でも,希望通りの黒檀柄のこれが送られて来ました。

目の覚めるような出来栄え。

それほど詳しいわけでもない私の目で見ても,一線を画すものでした。それ以来,いつも手の届くところに置いて普段使いにしています。

豆カンナの削り屑。どんどん盛り上がってます。
2月とは思えないプラス気温の続く札幌です。

11.75inch Archtop 14inch 14inch archtop 14inch Prototype 15inch Archtop 17inch Archtop Amek archtop Bass Bubinga Chaki Curlymaple Dearmond Double Cutaway Ebony EF28-70 2.8L Elmarit-M28mmF2.8 Elmarit-R 24mmF2.8 Elmarit-R180mmF2.8 Explorer修理 Gibson Ibanez in case of Inlay Jingle JohnnySmith Keyaki Kluson newFD300mm2.8L Noctilux 50mmF1.0 M Nylon Pickguard repair Semi-Acoustic Shellac Summarex85mmF1.5L Summaron35mmF2.8M Summicron-R 50mmF2 SuperAngulon21mm F3.4 M Tailpiece Tools Walnut アーチトップギター製作 ギター製作 左市弘

五十肩

「正道」銘 丸ノミ。
ルーペで拡大してやっと読み取りました。
20年くらい前に入手した初めての丸ノミです。豆カンナと併用。

実は正月明けから「50肩」になってしまいました。
寝返りをうつのも大変って,話には聞いていましたが,実際数日はそんな感じでした。ノミどころか豆カンナも使えない。っていうか服を着替えるのも一苦労なんですね。身をもって知りました。いやー,体が普通に動くってだけで,感謝,感謝です。

てな訳で,作業台の上に乗せたままのこのMaple,少しずつ右手を動かすための練習台になってはいましたが,まだコンプリートしてません。でも,最終的なアーチの姿が見えてきました。
もうちょっとですね。

11.75inch Archtop 14inch 14inch archtop 14inch Prototype 15inch Archtop 17inch Archtop Amek archtop Bass Bubinga Chaki Curlymaple Dearmond Double Cutaway Ebony EF28-70 2.8L Elmarit-M28mmF2.8 Elmarit-R 24mmF2.8 Elmarit-R180mmF2.8 Explorer修理 Gibson Ibanez in case of Inlay Jingle JohnnySmith Keyaki Kluson newFD300mm2.8L Noctilux 50mmF1.0 M Nylon Pickguard repair Semi-Acoustic Shellac Summarex85mmF1.5L Summaron35mmF2.8M Summicron-R 50mmF2 SuperAngulon21mm F3.4 M Tailpiece Tools Walnut アーチトップギター製作 ギター製作 左市弘

豆かんな。

丸ノミとチェーンソーブレードで荒っぽく削ったので,ランダムサンダーでまずはガタガタを取りました。#40のペーパーを2枚消費。

これからアーチを整えて行きます。まだちょっと厚めでしたね。もう少し攻めたい気持ちもありましたが,まぁまた手作業で進めます。

ガレージが寒すぎて,外にいたくないんで(笑。

縁周りを仕上がりに近づけてからアーチを整える方が見通しが立っていいですけどね,ボール盤の調子が悪くてSafty Planerを使うのを途中でやめました。

無理は禁物。

非力な機械なので,この刃を使うには無理があるんだと思います。

日が暮れた頃,まだこんな感じ。

ライトを斜めから当てて,凹凸を確認しながら進めます。また指が水ぶくれになりそうです(笑。

珍しく晴れた札幌です。

Chain saw blade

新年らしく,新しい道具を使ってみました。

例の「超危険」チェーンソーブレードをつけたグラインダーで,Mapleのアーチ削り出しです。これはコードレスなので取り回しも楽ですね。今までは100V仕様の普通のを使ってました。

スピードコントロールは,「悪くない」ですが,低速だとかえって引っかかる感じがあるので,トップスピードよりちょっと落としたくらいが良かったです。それにしても,,,手前半分を荒っぽく削りましたが,これでほんの5分程度(笑。

丸ノミで削った上半分は数日,,,。

今年も楽しんで行きましょう。そうしましょう。

明るい日差しの差し込む札幌です。

Curving

削って削って。

まだまだこれからですが,そうしているうちに何となくアーチが見えてきます。膨大な削りカスの中から,最後に「何だ,,普通じゃん,,」って感じに自然なアーチを描いていくのを見るのが好きです。

今シーズン,初めて雪かきをした札幌です。

登録 秀貞 内丸ノミ 3分。

多分どこかの問屋さんの名称なんでしょうかね。打ったのは彫刻刀などを作っている鍛冶屋さんでしょうか。柄は東京風。

いつ,どこで入手したのかも例によってあやふやですが,愛用してます。群青色の口金と下がり輪が洒落て見えるからかな。

内丸は最初から溝の彫ってあるごく一般的なこんな砥石を使っています。さらに幅広の丸ノミは裏側を使ってるので,両面から掘れてきてますが,まだまだ使えます。刃こぼれとかが少ないので,切れを戻すのに使うのが主ですし,平面を出したりする必要もないのでさらに減らないんですよね。

水を入れた広口の瓶に,スポンと入れておくとすぐに使えて便利です。バケツだとひっくり返した時にえらいことになりますから。

昨日から車のエンジンがかからなくなって,大騒ぎの週末でした。

レッカー屋さん,ありがとう。

ほぼ0度の札幌です。

Hand Curving

単板削り出し。

(って昔のカタログには書いてありましたよね)

Big leaf mapleを削り出しています。

いつものように細い丸ノミ1本で。

いやー,超硬いです。

LesPaul Modelの解説などでよく「Hard mapleはその名の通り『硬くて』Big Leafは柔らかい」とか,「見るからに硬そうなハードメープル!これはいい!!(笑)」なんて書いてあるのを見ることがありますが,実際には「結構」個体差あり,ですよね。

んで,削り始めたこいつは,,,,相当『硬い』。

ブビンガほどではないですが,全然進みません(笑。

10分に一度くらい「休憩+研ぎ」しながらじゃないと「息ばかり」が『切れます』(笑。

数時間やってもこんな感じ。

曲線のカケラも見えて来てないですね。削ってる本人は最終的なカーブを描きながらやってるんですが。

でも,木を削るのは,そのこと自体が単純に楽しいですよね。

なんだか心が静まっていって,時間の感覚も無くなって。

言うなれば「無心」って感じなんでしょうか。

スプルースなら柔らかいから,手も痛くならないし平気で数時間削り続けられますよね。

どうしてなんだろ。

確かに電動工具を使えば,仕上げは別としてある程度まではずっと短時間に楽に削れますけれど,体が悲鳴をあげるまでは,手で削るのを楽しみたいです。

目も心も喜んでいるのがわかるんですよね。

ただし,締め切りに追われていたり,いわゆる”Full time” Luthierの方々は「そんなこと言ってらんないよー」となるんでしょうけれど。

“The Chainsaw Lutherie of Tom Ribbeche” by Jay Hargreaves. The Big red book of American Lutherie Vol.5 1997~1999

The Big red book of American Lutherie Vol.5 の中の記事で,Tom Ribbeckeがチェーンソーブレードを付けたMakitaのグラインダーを使って削り出してるのが載っています。ただし超Dangerous!!と。

“Careless handling can rend your body or ruin your $200 top.” 

本当に恐ろしい道具ですが,確かにこれを使えば早いです。

Bubinga back and sideをやった時に思い知りました(笑。あのブビンガみたいな,ノミもはねつけるような硬い材料も,あっという間に『粉塵』にしてしまいます。

なので,これはこれで,相当な集中力が必要ですが,ノミを研ぎ研ぎ静かに削り続ける作業とは使う神経が別物です。

HiKOKI コードレスディスクグライダ G3610DA

恐ろしい機械ですが,スピードコントロールの付いてるものがあると知ってこれを手に入れました。

でもまだ一度も使ってませんので,どの程度安全になるかは,わかりません(笑。

心は別として,体が悲鳴を上げ始めたら,使ってみましょうか。

でも,それまでは「1刀掘」を楽しみましょう。

穏やかな札幌です。

body depth

抜け殻。

17inchのバックを切り出したところ。

6mmほどのマージンを取って繰り抜いています。

ジグソーを使ってくりぬくのですが,ジグソーの刃はどうしても捩れるので,厚みが1インチ以上もある板だと,表と裏で平気で数ミリもずれてしまうから余裕が必要なんです。

ソリッドの製作の方のように,テンプレートをあてがってルーターで周囲を切ればよさそうなものですが,サイド材の曲げに合わせて,さらにバインディングを巻く事を考えると,シビアなトリミングは,組んだ後の方がいろいろ都合が良いと思っています。最初から「マージン ゼロ」で製作する自信がない,,とも言います(笑。膨大な削り出し作業中に,一度も縁をぶつけない自信もないですしね,,。

ボディの厚みをどうするかも,製作を開始する時に決めることの一つです。

このモデルのボディの厚さは3インチにしようと思っています。いろんな厚さのを作りますが,これが私のスタンダードです。Gibsonで言えばJohnnySmith model の寸法ですね。

そういえば,アーチトップの製作で有名なLuthier,

Robert Benedettoが著書,

“Making an ARCHTOP GUITAR” の中で

ボディの厚みについてこんな風に書いてます。

To achieve a rich, well balanced voice, regardless of body size, I have found the optimum body depth to be 3”. By increasing the body size or depth, the quality of sound is not necessarily improved. As the body depth is increased beyond 3 1/4”, the high notes become weak and thin, resulting in a dramatic loss of balance between the high treble notes and the low bass notes. If the body depth is less than 2 3/4”, the instrument’s voice will be weak and lack a balance, rich quality so unique to the archtop guitar.

この本,私が製作を始めてしばらく経って入手して読んだので「後付け」なんですが,彼のオススメも3インチなんですよね。Johnny Smith modelを採寸して製作を始めた私としては「何たる偶然!」とその時驚いたのでした。

ただ,彼の言い方だと,L5などの厚さは「バランスが悪い」って事になっちゃいますが,厚みが増すと確かに音に明るさはなくなっていくように感じます(あくまで『生音』の事と理解してます。生音で弾いて気持ちの良いバランスは,,,という事でしょうね,きっと)。

ま,そんなことを考えつつ,早速削り始めますか。

Center Joint

Center Joint 完了。

一晩おいてクランプを外したところで記念撮影。いつもそうですが,ボディ材のこの作業を終えて手に取った時「さー,始まるぞー」って気持ちになります。旅の始まりって感じですかね。

昨日接着し終えて,ネックの製作の準備を始めました。1本分はすでに5ピースの接着まで完了していましたので,もう1本分用意します。

ところでこの17inch用に途中まで作ってあるネック,いつやったのか覚えてませんでした(笑。2年前の今頃やったことになっているので,15inchを作ってる時に,ついでに用意していたんでしょうね。ヘッド角16度に切り出していましたので,今回使うことにします。14度でも製作していますが,今回はキツイ方でやりたいな,と。

最初に引っ張り出してきたのはこのFlame Mapleの角材。

ワンピースでやるにはちょっと寸足らずでした。残念。ソリッドみたいなヒールの短いやつなら行けそうですが,またお蔵入りですね。

次はこれ。150mm角の材を割ったものが2枚ありましたので,これを使おうかな,と。細かな節がありますので,それらを避けて使いましょうか。微妙な厚みなので,2枚にスライスして使おうと墨を入れました。これ,こないだ完成した14inchのSemi-Hollowのボディに使った材料です。端材が大きすぎて勿体無い気もしてるんですが,なんかに使えるでしょうかね。

朝起きたら雪が5センチくらい積もっていた札幌です。