
単板削り出し。
(って昔のカタログには書いてありましたよね)
Big leaf mapleを削り出しています。
いつものように細い丸ノミ1本で。
いやー,超硬いです。
LesPaul Modelの解説などでよく「Hard mapleはその名の通り『硬くて』Big Leafは柔らかい」とか,「見るからに硬そうなハードメープル!これはいい!!(笑)」なんて書いてあるのを見ることがありますが,実際には「結構」個体差あり,ですよね。
んで,削り始めたこいつは,,,,相当『硬い』。
ブビンガほどではないですが,全然進みません(笑。
10分に一度くらい「休憩+研ぎ」しながらじゃないと「息ばかり」が『切れます』(笑。

数時間やってもこんな感じ。
曲線のカケラも見えて来てないですね。削ってる本人は最終的なカーブを描きながらやってるんですが。
でも,木を削るのは,そのこと自体が単純に楽しいですよね。
なんだか心が静まっていって,時間の感覚も無くなって。
言うなれば「無心」って感じなんでしょうか。
スプルースなら柔らかいから,手も痛くならないし平気で数時間削り続けられますよね。
どうしてなんだろ。
確かに電動工具を使えば,仕上げは別としてある程度まではずっと短時間に楽に削れますけれど,体が悲鳴をあげるまでは,手で削るのを楽しみたいです。
目も心も喜んでいるのがわかるんですよね。
ただし,締め切りに追われていたり,いわゆる”Full time” Luthierの方々は「そんなこと言ってらんないよー」となるんでしょうけれど。

The Big red book of American Lutherie Vol.5 の中の記事で,Tom Ribbeckeがチェーンソーブレードを付けたMakitaのグラインダーを使って削り出してるのが載っています。ただし超Dangerous!!と。
“Careless handling can rend your body or ruin your $200 top.”
本当に恐ろしい道具ですが,確かにこれを使えば早いです。
Bubinga back and sideをやった時に思い知りました(笑。あのブビンガみたいな,ノミもはねつけるような硬い材料も,あっという間に『粉塵』にしてしまいます。
なので,これはこれで,相当な集中力が必要ですが,ノミを研ぎ研ぎ静かに削り続ける作業とは使う神経が別物です。

恐ろしい機械ですが,スピードコントロールの付いてるものがあると知ってこれを手に入れました。
でもまだ一度も使ってませんので,どの程度安全になるかは,わかりません(笑。
心は別として,体が悲鳴を上げ始めたら,使ってみましょうか。
でも,それまでは「1刀掘」を楽しみましょう。
穏やかな札幌です。