Silky Bigboy

お寺の階段だったスプルースのサルベージ。

残念ながら,鰻屋さんの看板だった板は,ちょっとだけ幅が足りませんでした。あと5mmあったらチャレンジしたんですが,やめときます。

てな訳で,別のトップ材を捜索。

これは13年前,あるお寺の納骨堂の階段を修復させてもらった時に,ついてたササラ板が立派だったので外してきて大切に保管していたSpruceです。出た場所からエゾマツかもしれませんが,DNA検査してもらわないとわかんないですね(笑。

厚さ46mm,幅295mm。

2枚をセンタージョイントすれば簡単ですが,厚さがもったいない。長さ600mmのが5枚ありますが,その使い方だとトップが2本半分しか取れません。

なので,クロスにカットします。

こんな風に「斜め」に切るなんて,「手」でやる以外考えつきません。バンドソーで上手に出来る人もいるのかもしれませんが,僕には色々ムリです(笑。

Silkyの「Bigboy」,手鋸1丁で切りました。

全身汗まみれで「2時間!」。

ほぼ完全な柾目のスプルースが2時間で倍の量になるとしたら,みなさんどうしますか?(笑。

うーん,身体中痛いです(笑。

しばらくやりたくない,,(笑。

もしかしたら,以前にも書いたことがあったかもしれませんが,この階段のかかっていた納骨堂,たくさんのお位牌が並んでいたのですが,毎朝,ご住職がおつとめに行くと,必ず幾つかのお位牌が「落下してるのよ」。

え?,棚がダメなのか,,と見ても問題無し,,。無縁仏となられた方のお位牌群だけそうなんだとか,,,。うーん,私にはわかりませんが,何かの力が働いているんでしょうか,,,。

って,そこの階段の板がこれです(笑。

すごいもん,サルベージしてんなー(笑。

楽器に生まれ変わって,まだまだ生きててもらいますよー。

Japanese Plane

汗だくの数時間後。

木口を直角に出来る程度までカンナ掛け完了。

いやー,カンナを持っている時間より,休んでる時間の方が長いです(笑。

ちなみに,今日この作業に使ったカンナは,「武藤土助」作「羅生門」と,「千代鶴貞秀」作「乱菊」。

どちらも中古品で入手したものです。

こんな硬いのを削るのに向いてるのかどうかさえ,私にはわかりませんが,なんとか切れてくれました。もしもこの後もピカピカに手カンナで平らに仕上げようとするなら,刃の仕込み角を変えなければならないのかもしれません。でも,腕が追いついてませんから,心配は要りません(笑。どうせこれからアーチに削り出していくんですから。

最近カンナ研いでないな,,とか思いながら,ゼーゼー言いながら削りましたので,研ぎはまた「この次」にします(笑。

ただ,この材料を入手した15年前の僕は,こんな風に平面を出すことさえ出来なかったろうな,,としみじみ思い出していました。すぐに使わなかったのは,高価でプレミアムな材料,という以外に,きちんとブックマッチ出来る気がしなかった,,という自分のスキルのなさもあったと思うのです。

そんでもってやっと,これに手を出せる程度の自信がついたのかな,,とか思うと,ちょっと嬉しかったです。

難易度の高い材料は,「将来の自分」に任せるようにして来たように思います。

でもこれで安心は出来ません。

もっと超「木取り」の難しい難物がいっぱいあるんです(笑。

ああ,そいつらは,やっぱ,将来の自分に任せましょう,そうしましょう。

Big Leaf Maple

Joint部分のカンナ掛けの前に,出来るだけ平面出しをします。

直角が欲しいからなのですが,Flameの目が飛んでしまうのが怖いので,手作業でやってみます。

いやー,このフレイム!。

ちょっとカンナを掛けただけで,まばゆいばかりで驚きました。

15年間,削ってみたりもしてませんでしたので,なおさらです。すっかり興奮して記念撮影しました。

比較的柔らかいはずの材料ですが,この平面を手作業でやるのは,骨が折れます,,っていうか,先に心が折れそうです(笑。

じっくり行きましょうか。

My New models

次の製作開始。

15年ほど前にLMIから入手した,Big Leaf Mapleのバックアンドサイドのセットを使います。材料には入手した時の日付やら入手先やらを記入しているのですが,時々それが漏れているのがありまして,一番奥の薄板はいつどこで手に入れたものなのか,全くわかりません(笑。

でもボディラインまで切り出してあるHard Mapleに色やフレイムの感じがぴったりだったので,これをサイド材に使います。

そんなにたくさん所有している訳ではないのですが,全部を並べてみるわけにもいかず,その都度良さそうなのを棚から出してみています。

それでも数えてみたら,17inchのサイズの取れるBack and Sideのセットは,ざっとアーチトップの20本分くらいはありそうです(推定)。丸太状のものも含めてますので,ザックリです。

15inchサイズだったらまだありますが,途中で数えるのをやめました(笑。それはまた「作る時」に考えましょう。サルベージした材料も結構ありますけど,ちょっとずつ集めていたものです。いつの間にかこんな量になってたんですね。

使い切って天寿を全うしたい(笑。

Big Leaf mapleは最近あまり見ませんよね,LMIでも。もう1セット持っていますが,あとはHard mapleとEuropean mapleばかりでした。神代タモとイタヤも数本分あったな,,。

今回は久しぶりに17inchのアーチトップ。

何かアニバーサリーなモデルに使おうと温存していた材料ですが,何となーくスペシャルなのをやってみたくなりました。アニバーサリーは後付けでいいですよね。何の記念にしようかな,,,コロナ,,,じゃないよな(笑。

バックとサイドばかり考えていて,トップのスプルースを選ぶのを忘れていました。

これは確か鰻屋さんの看板だったのをサルベージしたんじゃなかったっけ,,,。

うーん,書いてませんので,記憶は曖昧です(笑。

高級な音がするんじゃないかな(笑。

憂鬱な曇り空の札幌です。

Arch Back

17inch のアーチトップ。バック材を削っています。

アーチトップの製作は,この作業が醍醐味ですよね。毎回アーチは微妙に異なりますが,その時々の理想を追求して削っていくのがいいです。無心になって削ります。

コロナのせいなのか,コロナがきっかけに過ぎないのかは,今はわかりませんが,実に色んなことがうまく行かなくなっているんじゃないでしょうか。

こんな時こそが,アーチを削るのに最上の日ですね(笑。

乗らない気持ちで豆カンナを手に取っても,5分後には無心になってますからね(笑。

秋の彼岸の札幌です。

JohnnySmith model

1960’s Johnny Smith Pickup.originalのを入手しました。

まずは緑青を取り除きましょうか。

酢酸に塩を入れたもので取り除けるはずです。いきなりマイクロメッシュなどで磨いてしまうと,せっかくの風合いが消えてしまう時がありますよね。久しぶりに初心に帰って,アーチのバック材を削りました。

一日中,なんともどんよりとした暗い雲の札幌でした。

アカエゾマツ

Red Ezo-spruce (Sakhalin spruce).  赤蝦夷松

4年ほど前,岩手の

” Odashima Guitars”

さんが下川町のスプルースを調達に北海道に来た時,「名刺代わりに(!)」と,置いていってくれた赤エゾ松です。名刺,デカ!。なんだか樹皮も神々しくて,剥がせばいいのにそのまま部屋の真ん中に立てて眺めていました。

樹皮を剥がして,切り出した木口をちょっとだけ綺麗にしたところ。

年輪を数えてみたら,,,151までは数えましたが,目がチラチラして自信ないです(笑。植林されたもの,,とお聞きした気がするのですが,年代,合ってますか?。151歳か,,気が遠くなります。

最初の1/4カットから外れかけていた端部が,随分乾燥が進んだせいか,グイッと力を入れたらバリッと取れましたので,試しにちょいと削ってみました。

まだちょっと乾燥させた方がいいかな,,。

もちろんアーチトップのトップ材として使わせてもらうつもりです。

小田島さん,お元気でしょうか,,って,見てないですよね,,スンマセン。

実は先日,「温根沼の赤エゾ松」を紹介されて手に入れることが出来まして,赤エゾつながりってことで引っ張り出したんです。

「Runt Guitars」さん

「ウッドショップ木蔵」さん

お世話になりました。地元の木材を楽器にするって,特別な意味があるように感じますよね。

そっちはきちんと製材されているんで安心です(笑。

15inch Archtop Sisters

もう1本の15inchのセットアップ完了。

初めて使った既製品のテールピース,ボディ側のハードウェアはクロームで統一しました。ピックガード上には,黒いスピードノブ。これも初めて使いました。ピックアップはKent Armstrong. Neckにマウントするタイプです。

2本を並べて記念撮影。

右:ケヤキ side & Back. Kluson Tail Piece. スイッチクラフトのジャックをテールに取り付けたのですが,Klusonの元穴が小さくて,ちょっと拡張の必要があります。厚みもギリギリ。

あ,,トラスロッドカバー忘れてました,,,。さっさと作りましょうか。雪景色になった札幌です。

Kluson

DEEDEE7の糸巻きは,Klusonのブラックにしました。こんな感じ。ヘッドストックのデザインは,以前から同じですが,インレイのデザインは新たなものにしてみました。これを取り付ける頃になると,「ああ,出来たな」という気持ちになって来ますよね。塗装を傷つけないように,慎重に作業します。

Vintage Parts

これ,なんだかお分かりになりますか。上の切れっ端は,Gibson Johnny SmithーDのピックガードの先っぽの「切れっ端」です。多分1960年代のもの。白い線のない,のっぺらぼうのノブ。ポットの細い軸が特徴です。この状態で米国のオークションに出てました。

いやはや,こんなのを売りに出すってすごいですが,入手した僕も相当ですよね,,。オリジナルの修理の時が出番でしょうが,一体それは何時なのか,,,(笑。

下のノブは,何に使われていたものなのか,さっぱりわかりませんが,古い無線機か,FairChildの時代のスタジオ機器のような雰囲気ですよね。これも米国で「ベークライト製」と書かれてありました。かなりシッカリした作り。

ギターに使うには,ちょっと大きすぎる気もしますが,案外洒落て見えるかもしれません。