元起き

Johnny Smith modelのリペアの続き。

いわゆる「元起き」が原因のトラブルと見ています。

同年代のネックの仕込み角度は85.3度に対してこの個体は86.5度。

たった1度くらいの違いですが,14Fジョイント部分を中心として平面を出そうとすると,エクステンション側を削るとしたらやや1mmほど,ナット側を削って平面を出すには4mmも削らねばなりません。

ナット側を4mmも削ったら,,トラスロッド出ちゃいますよね,,多分。

薄いネックがお好きな人はいいかもしれませんがほぼ無理と思います。

かといって,エクステンションの先を1mm削ってしまうと,このオリジナルのピックアップのステーが入る高さが取れなくなります。

「ステーの高さを1mm削ればいいんじゃない?」と思われるでしょうが,ビス部分の「皿もみ」が消えるどころか,その部分で「ポッキリ」折れそうです,,。

となると,,結論は「ネックのリセット(ネックを一度外して,角度を調整してまた取付けること)」でしょうね,,普通は,,。

「元起き」してしまった弦楽器は,リペア代金が高すぎて「新しいのが買えるんじゃね,,,」となる場合が多いと昔から聞いてました。

「楽器としての『死』」。

ヴァイオリン属は,あっさりネックをぶった切って取り替えますよね,バインディングもないし塗装もセラックだし,それが「普通」なようです。

じゃ,

「やってみるか,,,」笑。

60年代のGibson のネックリセットなんて,滅多にやれるものではありませんから(恐ろしくて(笑))。

幸いなことにネックジョイントのダブテイルは見えていて,しかも隙間があるから条件は悪くありません。

でも,それを避けてなるべくリペアを小規模に抑える方法はないでしょうか。

(フィンガーボードを剥がした時点で『小規模』ではありませんが(笑。))

リセットもやってみたいですが,今後同様のリペアに出くわした時のために,これはなかなか良い検体になりそうです。

幾つかアイディアが閃いてますが,もうちょっと考えます。

ネックの仕込み角度が変わってしまったことで,すでに弦のテンションに変化があるのは確かですが,

この楽器の「声」を変えてしまうほどでしょうか?。

多分,音のニュアンスは変わらないんじゃないかな,,

若干弦の張りが柔らかく感じる程度ではないでしょうか,,,うまくいけば,,。

他の楽器の作業を進めながら,もうちょっと考えましょう,そうしましょう。

11.75inch Archtop 14inch 14inch archtop 14inch Prototype 15inch Archtop 17inch Archtop Amek archtop Bass Bubinga Chaki Curlymaple Dearmond Double Cutaway Ebony EF28-70 2.8L Elmarit-M28mmF2.8 Elmarit-R 24mmF2.8 Elmarit-R180mmF2.8 Explorer修理 Gibson Ibanez in case of Inlay Jingle JohnnySmith Keyaki Kluson newFD300mm2.8L Noctilux 50mmF1.0 M Nylon Pickguard repair Semi-Acoustic Shellac Summarex85mmF1.5L Summaron35mmF2.8M Summicron-R 50mmF2 SuperAngulon21mm F3.4 M Tailpiece Tools Walnut アーチトップギター製作 ギター製作 左市弘

Split block Inlay

Split block Inlay.

Gibson Johnny smith model 1968のリペアの続きです。

インレイも作り直してみます。

つか,これは結構なパーツ数ですよね。

切り出したらちゃんと並べておかないと,何が何だか分からなくなりそう,,,(笑。

家電品か何かについてきた透明な粘着シートを利用します。

切り出して真珠貝にピトッと貼って切り出したらどうかな,,と。

こういうもの,捨てられなんですよね,,

なにかに使えそう,,とか思っちゃって(ゴミ屋敷の原因その1)。

でも,今回はちゃんと使えましたよ(笑。

ってなことをしていたら,宅配便のおじさんが配達に来てくれました。

それは何かというと,,,

MacBookProのバッテリーです。

Retina15inch Mid2015という,8年前のMacの内臓のリチウムイオンバッテリーが「パンパン」に膨らんで蓋を閉じることも出来なくなっていたんです。

「それ,ヤバいやつじゃん!」

と家族に指摘されましたので,交換してみます。

付属のドライバーの柄の色が気に入りました(笑。

こんなに膨らんでました。すごいなぁ,よくこんなの入ってたなぁ,,。

バッテリーは強力な両面テープで接着されてましたがヒートガンで温めながら無事撤去して交換完了。

裏蓋のとても小さいネジは,長さが微妙に違うのが2種類使われていました。

気づくのにちょっと時間がかかりました。

芸が細いです,Apple.

バッテリーとメインの基盤とを繋ぐコネクタは,結構力一杯「パチン」と入れないと認識してくれませんでした。

それで,2回も裏蓋を取ったり付けたりして気づいたんですけどね(笑。

無事起動。よかったー。

工作室の音楽プレーヤーとしてこれからも頑張ってもらいます。

最初に聞くのは

「田中鮎美Trio」の”Subaqueous Silence”

“https://ecmrecords.com/product/subaqueous-silence-ayumi-tanaka-trio/

フィンガーボードの製作。

Gibsonのオリジナルに合わせてバインディングも復旧しますので,ジャストサイズに指板を切り出します。

無事切り出したところで記念撮影。サーっと陽が差して来ました。

さて,お次は,,,と。

Resin

Resinで固めたJohnnysmithのピックガード。

触れただけでポロポロとセルロイドの破片がこぼれ落ちるほど劣化してましたので,ようやくちゃんと「触れる」ようにはなりました。

こんな写真だとなんだかわかりませんね。

別の角度から見ると,,

あんまり変わりませんかね,,(笑。

以前,YAMAHAのをやった時にも,同じような写真を撮った記憶があります。

これを実際に楽器に戻すとどんなふうに見えるでしょうか。

リペアの範疇を超えているかもしれないですよね。

セルロイドのピックガード Johnnysmith 1968

Gibson JohnnySmith modelの崩壊したピックガードです。

一部分が割れた,,とかいうレベルではなく,樹脂全体が崩壊しています。

相当以前にYAMAHA AE-2000のピックガードに行った方法を取ることにします。

出来具合によっては,ボディに取り付けしても良いかもしれませんが,とりあえず実験です。

空気に触れているだけでこうなる,というのですから,このままでは保管中に粉々になってしまうかもしれませんので,実験やむなし。

何をするのかというと,,,

透明のレジン漬け。

レジンの中に入ってしまえば,しばらくは「崩壊」の速度も遅くなるんじゃないでしょうかね。

きちんと平面が出るかはやってみなければ分かりませんが。

セルロイド風のアクリル板や,エボニーで同じ形のものを作るのは容易いですが,「本物」の歴史を見せるのも悪くないかな,,,。

重くなるのが難点ですが,「ヘッド落ち」しにくくなるかもしれませんよね(笑。

レジンは「薄い方が硬化に時間がかかる」と説明書に書いてました。

2〜3日放置してみましょうかね。

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Gibson JohnnySmith model 1968 Repair

Gibson JohnnySmith 1968 Repair.

ネック元起きが原因で(多分),ハイポジションの指板を削り取られていたこのGuitar,

そのため高さが足りず,ネックマウントのオリジナルのフロントピックアップが取り付け不可でした。

Dearmondは装着可能ですので,前オーナーもそのようにして使っていたようです。

さて,演奏可能なところまで行った,前回のリペアから2年半が過ぎて,,,

やはりオリジナルピックアップに戻したい,,,。

ということで,とうとう大手術決行となりました。

バイディングはすでに折れまくってましたので,最初に撤去。

それで見えるようになったFingerboardは,20F辺りは3mmくらいまで削り取られてました。

でも何とか「活かし取り」したかったのですが,,,

やっぱ無理でした。

残念。

白蝶貝のインレイは壊さずに済みましたが,そもそもヘヴィーに弾き倒された楽器故,貝の厚みが0.3mmくらいしか残ってない部分もありました。

これ,使う理由あるかな,,。

でも使えるだけは使おうか,,。

外したFingerboardを逆さまにして置いてみると,,,,

おお,この高さなら十分にピックアップと弦の間隔は取れます。

ナット側の指板の厚さは5.6mmくらい。

やっぱり3mmくらいは削られてたんですね,,,。

ボディ内部のラベルには「Johnnysmith D」とありますので,これは2ピックアップモデルなんですね。

Extention(指板とボディの間の部分)が跳ね上がっていました。

ストレートエッジを当てて確認。

ブリッジ側の先端を削って平面を出すのは簡単ですが,さて,それで弦高などがうまく収まるか,じっくり確認します。

残念ながら,黒檀のフィンガーボードは作り替えになります。

なのでEbonyを選びます。

進行中の2本の17inchの分も一緒に。

左から「カメルーンエボニー」,「マダガスカルエボニー」,右端は「インド黒檀(現地曳き)」,,

って,写真じゃどれもおんなじですか?(笑。

55年間弾き潰されたフィンガーボードは真っ黒。

この時代のGibsonは素晴らしい材料を使ってますよね。

鉋掛けをしてオイルを塗ったら,この「真っ黒」にどれかは近づけるでしょうか。

どれにしようかな。

「NAOMOTO」のアイロン。

スチームが出なくなっちゃいました。

水タンクの底に確かフィルターがあったような,,詰まっちゃったかな,,,掃除で済めばいいんですが,,,。

中古品を入手したモノですので,自分で修理出来ればいいな,,滅多に使わないのが悪いんですよね(笑。

小型ポンプで吸い上げてみようかな,,。

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2014 Feb Archtop Repair done

2014 Feb 17inch Archtop,メンテ完了してオーナーの元へ。

けど,その前にまた記念撮影。

なぜか,この楽器あんまり資料が残ってないものですから,自分で作っておきながら「興味津々」(笑。

ヘッドのデザインはこんな感じ。

これ1本だけの特別仕様。

テールピース。

African Blackwoodの削り出し。

願わくは,奏者と聞き手の全ての人に,その弾き手の喜びも悲しみも伝わりますように。

DEEDEE3-2

DEEDEE3-2.塗装開始です。

サンディングシーラーを吹いたところ。

わーっと杢目が現れてきて,楽しい瞬間ですよね。

またサンディングの日々なのですが(笑。

トップ側はこんな感じ。

多分,これをサンディングしたのち,もう一回くらいはシーラーを吹くことになる気もします。

ボディの真ん中の桂材の赤さも現れました。

このシーラーを吹く前に,コントロール関係の位置を決めました。

毎度毎度,その都度ボリュームやトーンの位置を考えます。

ちょっとずつレイアウトが違うので,テンプレートを作っても無駄なんですよね。

今回はこんな感じ。

これらのレイアウトも,何か法則のようなものがあるような,ないような(笑。

DearmondのFHCやエディヴァンヘーレンみたいに,ワンボリュームも好きなのですが,

必ず「Toneつけて」と言われるので,

自分用以外はやったことがないです(笑。

そういえば,預かってたShellac 17inchのリペアも完了しました。

Shellacの良いところは,コンプレッサーもスプレーガンも使わずに,塗装の表面に塗り重ねができる事ですね。

French Polishやべー。

2014 Feb 17inch Archtop

17inch Archtop, European Curly maple back&side. SofaGuitars 2014.

メンテナンスで久しぶりに帰ってきた17inchです。

ボディの中を見ましたら「2014」。

この楽器の写真って,あんまりなかったので,記念撮影しました。

ここまでド派手な杢目のバック材は,珍しい。

私がこれまでに作った楽器の中で,これが一番だったかもしれないですね。

ちゃんとメンテナンスしますよ。

そうそう,これは All Shellac仕上げでした。

写真だとセラックなのかラッカーなのか,わかんないですね(笑。

Chaki P-5 fix

Chaki P-5の修理完了。

ゼロフレットを含めてフレットは全て交換しましたが,「ズレ留め」のナットはそのままにしました。

なんとなく元の雰囲気を残したかったんで(笑。

糸巻きは,中でビスが緩んでいたのを締めてオイルを刺したら動作OK。

ジャックはスイッチクラフトに交換しました。

特徴的なのは,トーン。0から10として,普通10にするとトーンが解放になって0にすると「モコモコ」ですよね。

このChaki,逆なんです。”10”で「モコモコ」。

オーナーさんももしかしたら知らないかもしれないので,教えてあげないと,,。

これにて完成としました。

写真で見ると,何にも変わってないですね,,,。

ま,でもそれが目的でしたので「よし」としましょう(笑。

プラスチックのピックガードは,変形が進んでいて,取り付けると演奏にちょっと支障がありそうでしたので,

外したままにします。

飾るのが目的なら,すぐに戻せます(笑。

お待たせしました。

New Year !

新年明けましておめでとうございます。

今年も良い年にするよう,心します。

よろしくお願いいたします。

さて,新年早々に行ったのは,”Sofa Guitars, 2006”とラベルにあるGuitarのリペアです。

そうです,私が17年前に作った楽器なんです。

いやぁ,,「赤面の至り」が束になったような(笑)楽器ですよ。

ギターを作り始めたごく初期のものですので,「思い出いっぱい」かというとそんなことはなくて,

「ああ,こんな風にやってったんだぁ,,」とちょっとずつ思い出してきたところです(笑。

実は,この楽器の持ち主から修理の依頼で持ち込まれた時,

弦が張ってないどころか,

Nutも,Bridgeも,Tailpieceも欠品してました,,,。なんで?!?(笑。

要するに,本体に緊結されているもの以外,全てが「ない!」(笑。

これって「修理」じゃなくて,ほぼ「製作」なんじゃ,,,。

この17年の間に,こいつに何があったのか,もちろんわかるはずもありません。

でも多分音楽から遠ざかっていたんでしょうね。

で,また「音楽に戻ってきたのかな」,,と。

なので,理由は聞きませんでしたが,

「うっし,やりますか!」,と(笑。

預かってから,一つずつパーツを作ってました。

合間あいまにやってたので,随分時間かかりましたけど。

African Blackwoodのナットをマホガニーの太いネックに。

同じくAfrican BlackwoodのブリッジベースとゴールドのTuneOをシミだらけになったスプルースのボディトップに,

パーロッサを黒く染めたテールピースを「桂」のSide&backに

装着!。

新年早々,セットアップ完了!

弦を張りました。

いやぁ,何年振りに弦を張ってもらったのかわかりませんが,「鳴って」ます(笑。

フレットも擦り合わせてピカピカにしました。

ラウンド弦はストロークで弾くかもしれない「彼用」です。

連続マイナス気温が続いてますので,ガレージに持ち出しての撮影は断念して,作業台の上で記念撮影。

おっと,ナットの仕上げを忘れてますね。

寒いけど,晴れ間がのぞく,新年の札幌です。

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